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「加速度センサ」をご使用頂く前に

マイクロストーンでは、数種類の「加速度センサ」、及び加速度センサを搭載した記録計等を商品化しております。
海外も含めた他社製品も合わせますと、非常に数多くの種類の「加速度センサ」「加速度計」が商品化されており、どの企業のどの製品を選択すれば良いのか、非常に迷われることも多いかと思います。

一口に「加速度センサ」と申しましても、
 @ 直流成分の加速度成分(主には重力の
   加速度)が検出できるかどうか
 A 加速度がどの範囲まで検出できるか
 B 周波数(振動や動作の周期)がどこまで
   検出できるか
 C サイズ(目的の場所に取り付けて
   不自由がないか?)
等で、それぞれ様々な特徴がありますので、御用途に応じて向き不向きがございます。これらの点を考慮して選択頂く必要がございます。

マイクロストーンにおいては、大きく分けて下記の2種類の加速度センサを御用意させて頂いております。
それぞれのセンサについての特徴も併記いたしましたので、ご参照ください。
8チャンネル小型無線モーションレコーダmi,イメージ

マイクロストーンの加速度センサのタイプと、それぞれの特徴
加速度センサの原理
圧電型加速度センサの原理概念図

図1は、最もシンプルな構造の圧電型加速度センサの構造概念図です。こちらで加速度センサの原理を簡単にご紹介致します。

「可撓部(かとうぶ)」は、片側を「固定部」で固定され、反対側の端面が空中に浮いた薄い板とお考えください。(こういった構造を一般的に「片持ち梁構造」といいます。)
この可撓部の上に、やはり薄い板状の「検出素子」が貼り付けられております。
この状態で加速度が上図の矢印の方向に加わると、可撓部が上図のように変形します。この時、図には記しておりませんが検出素子の部分も一緒に変形する(ひずみが発生する)ことは想像に難くないかと思います。
この「検出素子に発生するひずみ」を検出することで、加速度を検出することができます。

加速度センサは、検出する軸数や検出原理等によって、各社様々な構造で「可撓部」「検出素子」を構成しておりますが、どこかを空中に浮いた状態にして、加速度が加わった時の変形(ひずみ)を検出するというのは全ての加速度センサに共通した構造です。

「圧電型」と「静電容量型」の違い

圧電型と静電容量型は、検出素子の部分が異なります。

圧電型

圧電型は、「圧電素子」を検出素子に用いたものです。圧電素子は、電気を加えると変形(ひずみが発生)し、逆に変形(ひずみが発生)すると電気(正確には電荷)が発生するという特徴を持った材料です。
ちなみに前者を「圧電効果」といい、後者を「逆圧電効果」といいます。余談ですが前者の原理を利用したのが、腕時計やパソコンなどで正確に時を刻む基準の信号を生成している「水晶振動子」になります。加速度センサの場合、後者の「逆圧電効果」を利用しています。

さて、「ひずみが発生すると電荷が発生する」と記しましたが、もし「変形した状態で可撓部が止まっていたら」どうなるか?ですが、逆圧電効果によって電荷が発生するのは「ひずみが発生した瞬間」になります。ですので変形した状態で静止していると、電荷は発生しません。
ちなみに「変形した状態で可撓部が止まる」というのは、重力が加わっているのと同じ状態です。
圧電型の加速度計が、重力に代表されるような、大きさ・向きが一定(直流成分・DC成分と表記します)の加速度を検出できないのは、圧電素子の特徴によるものです。

このような特徴から、圧電型のセンサは、振動や衝撃成分のように比較的高い加速度・周波数の検出がしやすいように設計されているものが多くなっております。

静電容量型
静電容量型加速度センサの原理概念図

静電容量型は、可撓部とある一定の間隔で、加速度によって変形しない固定部を設け、可撓部と固定部にそれぞれ電極を設ける構造となっております。
ここで、変形(ひずみ)が発生すると2つの電極間距離が変化し、それによって電極間の「静電容量」が変化します。
この容量変化を検出するのが「静電容量型」となります。

静電容量型の場合、「変形した状態で可撓部が止まっていたら」どうなるか?ですが、こちらは変形した状態で静止しても容量値は変化したままです。ですので、重力に代表される直流成分(DA成分)の加速度の検出が可能になっております。

弊社製品においても、多くの他社製品でも共通ですが、静電容量型の加速度センサは圧電型に比べ、比較的加速度及び周波数が低い検出範囲になっております。これは原理的なものではなく、ゆったりした周期の動きや、重力加速度のようにそれほど加速度が大きくないところで精度よく検出できるよう、可撓部の設計をしている(簡単な例で言うと、可撓部を薄くする)ためです。

加速度センサの使い分け

加速度センサを御使用頂く際には、上記のような特徴から、それぞれ向いた用途がございます。弊社製品の場合、表1に記したような用途で主にご使用頂いております。加速度センサを選択される際に参考にしてください。

加速度センサ使用上の御注意
加速度センサでの振り子運動概念図 圧電型加速度センサでは、直流成分(DC成分)の加速度は検出できませんが、これは「重力加速度が検出できない」ということではございません。

例として、図2に振り子運動の概念図で説明致します。棒の先端部に加速度センサを取り付け、この棒を振り子運動させるとします。加速度センサは、緑色の矢印の方向が検出軸方向だとします。
また青い矢印方向が重力方向とします。

振り子が上方向を向いている時(濃い茶色)、加速度センサの検出方向と重力の方向が一致しております。ですのでこのセンサには1Gの加速度が加わっております。

振り子が横を向いた状態(薄い茶色)だと、加速度センサの検出軸方向の重力は0になります。

振り子の動く周期が早くなると、重力の変化によって加撓部の変形(ひずみ)が変化します。
このように、重力成分が短い時間で変化する回転運動等では、運動成分だけでなく重力変化の成分も加速度センサは検知しています。

圧電型加速度センサに限りませんが、回転運動を加速度センサで検出しますと、「遠心力(向心力)の影響」などは回転中心からの回転半径などにも依存して変化し、非常に考察が難しくなります。
回転運動の検出には、重力や回転半径に依存しない「角速度センサ(通称ジャイロセンサ)」が適しています。角速度センサについては、また別の機会に詳しくご紹介させていただきます。