応用
事例紹介

3軸加速度センサの理学療法分野への応用

3軸加速度センサは、小型で扱いが比較的 容易であることから、近年人体動作解析 分野への応用事例が多くなってきております。特に理学療法分野では、論文等も多く発表 いただけるようになりました。加速度センサの理学療法分野への応用事例 についてご紹介いたします。

1.歩行時の膝に加わる加速度の計測

<計測条件>
 膝に加速度センサを取り付け、歩行時の加速度データを計測。 加速度センサは、膝関節側面部に、バンド固定した。

<計測結果>

1) 膝に加わる加速度(力)
 加速度は、同じ質量の運動であれば力に比例する値になります。
 膝は動いている際に質量が変わりませんので、加速度計測結果はすなわち膝に加わる外力に 比例する値になります。
 3軸加速度センサで計測すると、膝の上下方向・前後方向・側方方向それぞれの加速度が同時に計測 できます。
 下方向・前後方向・側方方向それぞれの加速度が同時に計測可能です。
 また、上記のデータを左右両足で同時に計測を行うと、左右の膝での衝撃値の差の比較、あるいは 歩行バランスの評価なども可能です。

 2) 歩行周期
 ヒールコンタクト間の時間の計測を行うことで、歩行周期の算出が可能です。
 また、繰り返しの歩数の歩行周期を算出することで、歩行周期の繰り返し性(平均値・分散など) も算出可能です。

 3) 衝撃吸収機能
 かかとが接地した瞬間から、加速度が0に戻るまでの時間を評価することで、膝の衝撃の 吸収性の評価も可能です。

2.下肢左右機能差と下肢の易受傷性

<実験方法>
・加速度センサを左右それぞれの膝関節側面に装着。バンド固定。
・不安定板板に片足で乗った場合の「最大振幅」を評価。
・「最大振幅の定義」
     (最大振幅) = | a | + | b |
       a : 順方向の加速度最大値
       b : 逆方向の加速度最大値

結果及び考察 (抜粋)

・ 女性の場合、左膝の最大振幅が有意に大きいことが示された。
・ 膝前十字靭帯の非接触性損傷は男性より 女性が多いことが知られているが、この研究に よると、左膝が右膝よりも使用頻度が高いことが 示されていて、その要因の1つとしてこのような 女性の姿勢制御機能の特異性が考察されている。

<資料ご提供>
 九州労災病院 勤労者骨・関節疾患治療研究センター
  センター長   井 原 秀 俊 先生
<出展>
 若林記念医学研究結果報告集
  平成16年度 (独立行政法人 労働者健康福祉機構)
 「下肢左右機能差と下肢の易受傷性」